現在広島地区を走行する快速列車は主に4種類あり、どれも個性豊かな列車ばかりです。それ故に、広島県民以外の人にはよく分からない・どういった種別なのかというのが分からない人もいると思います。そこで数回に分けて広島地区を走る快速列車をそれぞれ紹介していきたいと思います。
今回紹介するのは、呉線を走る通勤ライナーです。通勤ライナーは呉線のほかに山陽本線でも運行されています。今回ピックアップするのは呉線のほうです。
1.ざっくりとした歴史(登場経緯と停車駅編)
こちらは安芸路ライナーよりも後に登場した種別になります。登場したのは2004年10月のダイヤ改正から。それまでは安芸路ライナー一本でしたが、前の記事でも出したように安芸路ライナーはこの10月の改正から停車駅が追加されました。それに伴って従来の速達用の種別の代替として登場したのが「通勤ライナー」となります。
通勤ライナーという名前なので、当然ラッシュ時間帯の運行が主になります。登場時の停車駅は広島~呉間ノンストップでしたが、1年後の2005年10月改正からは矢野にも停車するようになりました。それ以降は停車駅の変更は行われておらず、現在に至ります。快速運転を行うのは安芸路ライナーと同様に広島~呉間のみ。呉~広間は各駅共に利用客が多い為、各駅に停車します。
2.ざっくりとした歴史(使用車両編)
使用車両は現在は227系での運行に統一されています。両数は4・6両編成で運行されています。以前は安芸路ライナーと同様に103系・113系・115系(代走で時々105系)と、所謂「国鉄広島」を彩った車両たちで運転されていました。朝晩の快速という事情もあり、中には8両編成で運行されるものも存在していました。
3.最近の通勤ライナーの運行形態
227系が登場してしばらくは以前のような朝晩の通勤輸送を担っていた通勤ライナーでしたが、227系投入の1年後の2016年ダイヤ改正から変化が起こります。
まずは土休日の夜時間帯の「通勤ライナー」を「安芸路ライナー」に置き換えました。これによって土休日の夜の通勤ライナーが消滅することになりました。
その1年後の2017年ダイヤ改正では、平日夕方上りの「通勤ライナー」と一部の普通列車を「安芸路ライナー」に変更して増発し、平日・土休日ともに9時以降の快速列車は「安芸路ライナー」に統一されました。これによって呉線上りの「通勤ライナー」は姿を消すことになりました。227系投入から僅か2年で上りの通勤ライナーが消滅することになってしまいました。これも利便性に考慮した結果だからしょうがないのかもしれませんが…。
下り朝の通勤ライナーは投入後もあまり大きな変更はなく、今日まで運行が続いており、現在は下りのみの運行となっております。また「通勤」という名前が付いていますが、土休日も運行されます。そういった点で言うと静岡地区のホームライナーに似たところがあるのかもしれません。
4.最近の通勤ライナーの行き先
最近の通勤ライナーの行き先ですが、安芸路ライナーに置き換えられたこともあり、下りのみとバリエーションは大きく減っております。現在存在している行き先は、広島・梅林・岩国のみです。特筆するとするならば梅林行きでしょうか。梅林は可部線の駅です。広島から先は各駅停車になります。
5.通勤ライナーの注目の列車
最後に通勤ライナーの中でも個人的に特徴的だなと思う列車を紹介します。
- 広 6:21発 梅林行き 梅林7:39着 4601M→2747M
こちらは先程も触れた梅林行きです。こちらは通勤ライナーの一番列車にあたる列車で梅林行きはこの一本のみの運行です。以前は竹原始発でしたが、系統分離によって、現在は広駅始発になっています。この列車は通勤ライナーで唯一4両で運行されており、これは可部線ホームの最大両数が4両までしか対応していないためです。個人的な話になりますが、遠征時によく利用している便の一つです。
- 糸崎5:59発 広島行き 広島8:27着 111M→4911M
こちらは唯一糸崎発の列車になります。朝早い中、持て余し気味の6両編成で糸崎から遥々広島まで運行します。通勤ライナーという名の割には広島に着くころには通勤ラッシュは落ち着いている時間になっています。どちらかというと呉までの通勤客が多く利用している印象です。 - 広 8:32発 岩国行き 岩国9:53着 4605M→5301M(土休日版)
こちらの列車は平日・土休日関わらず運行されるのですが、今回ピックアップするのは土休日の列車。この列車は広島からシティーライナーに化けて終点岩国まで運行されます。なので快速運転区間がとてつもなく長い!!快速運転するのは、呉~大野浦間の53.1kmの49分間となります。当然ながら広→岩国間の最速列車です。あっという間に岩国まで行ってしまいます。
といった感じで通勤ライナーをささっと紹介してみました。整理してみると、本数が少ない割には個性豊かだという事が分かります。また「通勤ライナー」は山陽本線でも運行されているので、そちらについてもまた今度触れていきます。では今回はこの辺で…。今回もご覧いただきありがとうございました!
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